学童野球との違い

　北海道において、小学生がチームに入って野球をしようと思った場合、そのチーム選びの選択肢はおそらく二つあり、その違いについて『どこが違うの？』とよく質問を受けますので、まとめてみました。

　

　学童野球（小学生の軟式野球）＝　野球をしている小学生の９割が加入しています。軟球がなけ

　　　　　　　　　　　　　　　　れば、現在の野球の盛んな日本はありえません。現在において

　　　　　　　　　　　　　　　　も、軟式野球の果たしている役割は大きいです。

　リトルリーグ（小学生の硬式野球、米国本部）

　ボーイズリーグ小学部（小学生の硬式野球、日本本部）＝北海道では盛んでありません。

 

　どの団体においても、必ず共通していることは『子どもの身体は大人とは違うので、規格や制限を設け、子どもを障害（ケガ）から守る』ことを十分に考えています。ただ、それぞれの団体によって、規格や制限の方法が違うだけなのです。

　大分しますと、子どもの身体への負担軽減策としては、

　『ボールを小さく軽くする』

　『投手間や塁間を短くする』

　『投球制限を設ける（球数もしくは回数）』

　『離塁制限等を設ける』

　『変化球を禁止する』　などで、下表のようにまとめました。

	リトルリーグ	学童野球
本　部	本部：米国・ﾍﾟﾝｼﾙｳﾞｧﾆｱ州　1939年設立 日本支部：東京千代田区　1967年設立	東京都渋谷区　1946年設立
ボールの種類	硬　球	軟球C号
ボールの直径	72.9 mm～74.8 mm	67.5 mm～68.5 mm
ボールの重さ	141.7 g～148.8 g	126.2 g～129.8 g
投手～捕手間	14.02 m	16.00 m
体感速度比  18.44 m : 100 km/h	131.52 km/h	115.25 km/h
塁　間	18.29 m	23 m
投手の球数、制限等	投球数制限：　有 休息日の規則：　有 投球イニング制限：　なし 牽制球：　なし	投球数制限：　なし 休息日の規則：　なし 投球イニング制限：　有 牽制球：　有
捕手の制限等	投手⇒捕手交代、捕手⇒投手交代 交代の制限：　有	交代の制限：　なし
変化球の可否	変化球：　可	変化球：　不可
盗塁の可否	盗　塁：　可（ただし、離塁の制限有）	盗　塁：　可

　

　リトルリーグは、アメリカに本部がある国際的な団体ですので、子どもの身体への負担軽減策を考えたときに、ボールを変更するという発想はありません。そして、野球のエッセンスをできるだけ損なわないように、かつ、エキサイティングな要素を削がないようにして、子ども達をケガから守るためには？という観点から、現在の規格や制限が設けられています。軽いボールで負担を減らしても、試合数が多く連投することでケガをしてしまうケースが後を絶ちません。また少年時代に肩・肘のケガがクセになり高校・大学でベストなパフォーマンスを発揮できないケースが目立つのも事実です。

 

　リトルリーグベースボールは、投げる・打つ・守るの重要な要素は保たれ、メジャーリーグベースボールのそれと同じ感覚なのです。高学年になると、打席での体感速度は100キロ～150キロ位になり、なおかつ、メジャーリーグ同様に変化球が加わります。硬球は軟球と比較して変化しやすいので、打者の対応力、バッティング技術は、ますます磨かれていきます。

　投手は、変化球の投球が可能ですがケガの予防のため、投手～捕手間は短く、投球数制限や捕手交代の制限なども厳しく制限しています。

　また、塁間がコンパクトな分、高学年の足の速い子どもで左打者の場合、打ってから3秒半ばで一塁に到達し、右打者でも4秒を切ります。もう一方で内野手も同様に塁間がコンパクトな分、打球の体感速度が速いので、高度な打球への対応、そしてスピーディな送球動作へ移行する自然な動作や技術が培われていきます。

　

　最も巧緻性（技術）や敏捷性が培われるゴールデンエイジの子ども達にとって、最も必要で適切な要素、子どもの能力を伸ばしてあげる必要な要素がリトルリーグにはあるのです。